アート写真のアーカイブ
9月
17
2009

無題

自分のことを思いっきり棚にあげて言おう。
最近写真がつまんないなー、と。。
どこかで見たことがあるイメージ、どこかで聞いたことがあるコトバ。
ハンマーで頭を叩き割られるような、シャベルで胸をえぐられるような写真に最近出会っていないなぁ、と。

でも、それは自分のせいかもしれない。
もう興味&執着が昔ほど強くないから?
大人になりすぎてしまったから?
作品を「観る」努力が足りない?←これは大いにある。

凄いな?と思う方はたくさんおります。
1ページにおさまりきらない経歴や技術的・視覚的に圧倒されたり、演出・マーケティングがうまかったり(これもとても重要ですが)。
でもそれは感嘆であって、個人的な感動・体験にまでに至らない。「写真が分からない」と仰った方の気持ちが今、よく分かる。

個人的体験を書くと、20歳前後の時に出会った高橋恭司さんと長島有里枝さんの写真は、当時いわゆる正統的な写真を勉強していた私にとっては衝撃であった。心の奥底に触れられた感じ。(当時はガーリーフォトとかいう括りがあったけど、この2人は全然違うと思ってた。)それ以来、国内ではそういう出会いは殆どなかったかもしれない。時代・若さ・個人的環境の影響もかなりあるけれど。

もう気づいている人は、どんどん海外に流れていくんだろうなぁ。
海外で評価されて逆輸入というパターン。
だって、日本の写真界の閉塞感ったら・・・。

どこで聞いたか読んだか忘れたけど、
絵の世界での日本のアマチュアの技術レベルは非常に高いという話。
それは大学入るために必死にデッサンの勉強をするから。
それに比べるとプロは・・・ということであった。
(私は絵に関しては素人なので判断できませんが。。。)

「うまい」だけじゃダメなんだよなぁ。

とまぁ、いつもいつも考えていることを、超久しぶりに書いてみる。
写真と関わりたいという気持ちがまだあることを確かめたくて。
うん、まだまだ、ある。

【 今日のサイト 】

今日は東京都写真美術館で、古典技法「ブロムオイル」のワークショップを受けてきました。もともと古典技法全般に興味があるのですが、絵画のように美しいオリジナルプリントを見て、これは試さねば!と思い応募しました。

ブロムオイルは、19世紀末から20世紀初頭にかけて多く使われた古典プリント技法です。前に「きっとオイルを使うんだろう。。。」と勝手なことを書いてたんですけど、オイルは使いません!インクでした。。。(油性ではあるけれど。)

簡単に説明すると。。。

プリント後、印画紙上のゼラチン層にある銀をブロムオイル用の漂白液で銀画像を漂白し、漂白液中に含まれる重クロム酸カリウムでゼラチン部分を硬くさせていく。銀の濃度(=画像の明暗:濃度が濃い部分は黒い)によってゼラチンの硬さが決まり、ゼラチンの硬さによって水分の吸収量が変化し、印画紙の表面に版画のような凹凸ができあがる。

その凹凸にブラシを使って油性インクを叩き込んでいきます。水分を多く吸収しているゼラチン部分(=ハイライト部)はインクを弾き、ゼラチンが硬い部分(シャドー部)はインクを吸着し色がついていく、という仕組みです。

インクを叩き込むところは、ひじょーに根気が要ります。なかなか上手くのらないんですよ。。。この手法は日本で特に盛んだったようで、このような根気の要る作業が日本人の気質にあってたんじゃないか?なんて言われているようです。

※ブロムオイルの手順は私のサイトで紹介しています。

アートフォトサイトのワークショップに参加しました。今まで悩んでいたこと、ごちゃごちゃしていたことが整理されたような気がします。少しずつですけど。。。とにかく私には衝撃のワークショップでした。

というのも、大学を卒業してからも写真を撮りつづけてはいたんですけど、なんかこう、意味を見出せなくなってしまったというか、楽しめなくなっちゃってたんですよね。明らかに商業写真ではないとわかっていたけれど、誰に見せたら良いのか、どこで評価されるのかが分らなかった。だから、私が勉強したこと(興味のあったこと)とビジネスは結びつかないのだと、心の底でずっと思っていたんです。

写真といっても分野は様々。分野が違えばクライアントも評価する人も写真の良し悪しも変わってくる。今の日本ではコマーシャルとアートがごっちゃになっているところがあるので、はっきりとした境界線がないのが現状。欧米でのアート写真のマーケットの話を聞くと、写真に対する考え方が全く違うので正直うらやましいとさえ感じました。

写真家の在り方も多種多用で、日本ですと商業(コマーシャル等)カメラマンの傍ら自分の作品を発表・販売することが多いと思いますが、欧米では全く別の職業をもちながらライフワークとして素晴らしい作品を発表する方も多いのです。別の職業であることは様々なものの見方ができると言う点で、むしろプラスであることもあります。

なるほどなーと思ったのは、作品の評価はイメージ(映像・視覚的)・テクニック(技術的)・感動(情緒に働きかける)という複数の要素で決まってくるということです。当たり前と言えば当たり前なのですが、例えば、技術的にも優れていて美しい写真を見たとして、スゴイ、どうやって撮ってるんだろう?と技術に感嘆することを感動と取り違えることがあります。それは作者の真の感動が伝わっているわけではないんですね。このように考えると、自分に何が欠けているのかというのが分ってきます。んー、上手くいえないけど、お話をしてくださった福川さんは非常に分りやすく明快に説明してくださいました。

今回のワークショップでは、自分の考え方・価値観をガラっと変えてしまうほどの貴重なお話をしていただいたので、これからも迷いつつも向かう方向はブレないと思います。プロのギャラリストに作品を見ていただけたのも良い経験となりました。仕事とは別に、自己満足・アマチュアの域を抜け出すことが当面の目標になりそうです。

ワークショップの後はどっと疲れが出て、家で何をしたか全く覚えてないくらいでした。

先日東京写真美術館で行われた、古典技法ワークショップ「コロジオン・プロセスーガラス湿式原板と鶏卵紙ー 」 に参加してきました。今回はガラスでネガを作り撮影、現像と、鶏卵紙の作成で、来週プリント作業に入ります。詳しい内容は来週ワークショップが終わった後に載せたいと思います。

ワークショップに参加するのは今回で二回目なのですが、年齢や職種もバラバラの人たちが集まって一緒に何かをする機会ってあまりないので、なかなか面白いです。久しぶりに白衣に腕を通すと、学生時代を思い出しました。自分が今まで使っていた白衣は現像液でまっ茶色、いつも臭かったのですが(薬品の匂いね)、そんな匂いも懐かしく蘇ってきました。

ボランティアでお手伝いしていた女の子が私の後輩だったので、色々と話を聞くと、横須賀功光先生が亡くなられたそうです。私のゼミの先生でした。私の頃はなかったのですが、このコロジオンプロセスの授業もあるそうです。個人的には、もっとオルタナティブプロセスをするクラスがあったら良かったのに。。。と思う。(どうせ、現場で役に立つことなんて殆どやらないんだからさ。)

さてさて、仕上がりはどうなるかな?
楽しみです。

コロジオン・プロセスの手順は私のサイトで紹介しています。

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