今月号のコマフォトの特集は、タイトルの通り。アートな写真とアートじゃない写真の違いは何か。漠然と何となく分かる気がしても、定義付けるとなるとなかなか難しい。今回の特集は、そんなモヤモヤした気持ちを払拭してくれます。(ついでに私が制作に関わったサイトも紹介されてます。)
特に、私も以前ワークショップに参加したブリッツインターナショナルの福川さんのインタビューは必読です。
例えば、作家個人が撮影している「パーソナルワーク」と「アート写真」について、仕事以外で撮っているプライベートな写真=アートではないことなど、分かりやすく説明してくれています。
作品を制作している人や、制作に詰まっている人は目から鱗が落ちるかも。
「売れる「アート写真」のポイントはどこにあるのでしょうか。」
4つのポイントがあります。
- ビジュアルが良いか
- テクニックがあるか
- 心が動くかどうか
- コンセプトやテーマがあるかどうか
・・・この4つを駆使して、観る側とコミュニケーションがとれる作品を「アート写真」と呼ぶわけです。
コマーシャル・フォト2007/5より
好きな写真家はたくさんいますが、影響を受けた写真家は、考えてみると意外に少ない。
どちらかというと、写真より絵にインスパイアされることの方が多い。
昔の宗教画なんかの光の使い方も好きだ。
私の場合は、なんと言ってもEdward Hopper。影響の大きさは計り知れない。
ホッパーのトーン、光、描かれるシーン、構図、湿度。。。表現したいもの全てがつまっている。
同じような空気を持つ画家はいないかと探してみると、
写真が発明された後、つまり現代のphoto realismに位置づけられる作品に行き着き、
いくつか見つけることができた。
絵にはあまり詳しくないのですが、
そんな私でも入りやすく親しみやすい画家をいくつか。
- Robert Bechtle
記事によると、自分で撮った写真を映写機で写してその上に描くのだそう。
動画でその様子が垣間見れます。
- John Register
記事によると、広告代理店でアートディレクターをしていた彼は、自分の仕事をひどく嫌っていて、とあるミーティング中に、歯医者の予約があると静かに告げその場を立ち、その後職場には二度と戻らなかったそうです。そして、画家になると決心したとか。
ホッパーとの違いは、ホッパーの絵には孤立した人が描かれているが、彼の作品では人は存在しない。観る人が絵の中で孤立する、ということ。なるほど?
- Robert Cottingham
- Alex Katz
- Ralph Goings
あと、写真オークション関連の記事を一つ。
- Gursky’s “99 Cent” Prints Fetch Millions At Auction
アンドレアス・グルスキーの “99 Cent” という作品が、Phillips de Pury & Companyでのオークションで$2 million以上で売れたという記事。生存のフォトグラファーでは最高記録だそうです。
アートフォトサイトのワークショップに参加しました。今まで悩んでいたこと、ごちゃごちゃしていたことが整理されたような気がします。少しずつですけど。。。とにかく私には衝撃のワークショップでした。
というのも、大学を卒業してからも写真を撮りつづけてはいたんですけど、なんかこう、意味を見出せなくなってしまったというか、楽しめなくなっちゃってたんですよね。明らかに商業写真ではないとわかっていたけれど、誰に見せたら良いのか、どこで評価されるのかが分らなかった。だから、私が勉強したこと(興味のあったこと)とビジネスは結びつかないのだと、心の底でずっと思っていたんです。
写真といっても分野は様々。分野が違えばクライアントも評価する人も写真の良し悪しも変わってくる。今の日本ではコマーシャルとアートがごっちゃになっているところがあるので、はっきりとした境界線がないのが現状。欧米でのアート写真のマーケットの話を聞くと、写真に対する考え方が全く違うので正直うらやましいとさえ感じました。
写真家の在り方も多種多用で、日本ですと商業(コマーシャル等)カメラマンの傍ら自分の作品を発表・販売することが多いと思いますが、欧米では全く別の職業をもちながらライフワークとして素晴らしい作品を発表する方も多いのです。別の職業であることは様々なものの見方ができると言う点で、むしろプラスであることもあります。
なるほどなーと思ったのは、作品の評価はイメージ(映像・視覚的)・テクニック(技術的)・感動(情緒に働きかける)という複数の要素で決まってくるということです。当たり前と言えば当たり前なのですが、例えば、技術的にも優れていて美しい写真を見たとして、スゴイ、どうやって撮ってるんだろう?と技術に感嘆することを感動と取り違えることがあります。それは作者の真の感動が伝わっているわけではないんですね。このように考えると、自分に何が欠けているのかというのが分ってきます。んー、上手くいえないけど、お話をしてくださった福川さんは非常に分りやすく明快に説明してくださいました。
今回のワークショップでは、自分の考え方・価値観をガラっと変えてしまうほどの貴重なお話をしていただいたので、これからも迷いつつも向かう方向はブレないと思います。プロのギャラリストに作品を見ていただけたのも良い経験となりました。仕事とは別に、自己満足・アマチュアの域を抜け出すことが当面の目標になりそうです。
ワークショップの後はどっと疲れが出て、家で何をしたか全く覚えてないくらいでした。
芸術起業論 村上 隆(著)
アートでご飯を食べていくということはどういうことか。かなり辛口。